飫肥では、元禄の初め頃より、盆踊りが盛んに行われてきました。泰平踊は、江戸時代から伝わる郷土舞踊で、初めは町衆によって踊られていた盆踊りです。
宝永4年(1707年)に対立していた薩摩藩と和解したことを祝って、当時の飫肥藩より武家にも踊ることが許され、「泰平踊」として、侍と町人が一緒に踊ると言う、他藩にはまれな催しが続いてきました。
踊り手の衣装は、大きな朱紐のついた折れ編み笠に顔を包み、着流しに太刀の落とし差し、腰に印籠と元禄の伊達姿で、踊りは武芸十八般をかたどった優雅さがただよい、毅然とした武士の気迫の偲ばれる踊りであります。
踊りは二流あり、今町の鶴組と本町組の亀組がありますが、それぞれ姿勢の高低差と歌詞が異なります。日南市泰平踊今町保存会(鶴組)と日南市泰平踊本町組保存会(亀組)、飫肥泰平踊 かめの子会(飫肥小・中学校児童ら)によって継承されています。
また、唄は、今町の鶴組は、参勤交代の御用船の舟唄で名勝 日南海岸の津々浦々を詠み込んだ郷土色豊かな恋の唄です。本町の亀組は、初代藩主 伊東 祐兵(いとう すけたけ)公をたたえる、静かな調べであります。
昭和37年(1962年)に宮崎県民俗無形文化財の指定を受けています。
現在では、飫肥城下まつり等でご覧いただけます。
0987-31-1134 (日南市観光案内所)